カイケチルモニター
※当記事末尾に【営業時間・ご来店に関する諸注意】を記載しておりますので、そちらもお読み下さい。
Kei Kecil Monitor/カイケチルモニター W.C. Juvnile
略称と成長段階・大きさの表記について
略称
W.C.:Wild Caught = 野生採集
C.B.:Captive Bred = 飼育下繁殖
C.H.:Captive Hatched = 飼育下孵化 (胎生種も含む)
F.H.:Farm Hatched = 飼養施設下孵化 (胎生種も含む)
成長段階
Baby → Juvnile → Young → Subadult → Adult
Kei Kecil Monitor/カイケチルモニター W.C. Juvnile
ブログ復活宣言をしたにも関わらず、気付いたらまた三ヶ月も放置してしました。申し訳ございません。やっぱ、書き癖をつけないとなかなかダメですね。今回はこの個体をお買い上げいただいたオーナー様からブログ掲載のリクエストをいただいたので、それなら仕方ない (笑) と一念発起、重い腰を上げた次第です。
という訳で、カイケチルモニター
って、古くからのホビイストの方なら「あれ!? コイツってフィンスクじゃないの?」って思いますよね。はい、それはそうなんです。それで合ってます。合ってるんですけど、今は違うんですよ…。
訳分かんないですよねぇ。
それは世界中のモニター好きがそう思ってると思います。これは完全にボクの“やらかし案件”なんで、今回はその辺も含め、弁明…じゃないや、解説をしていきます。
このモニターがハープタイルホビーの世界で流通したのは2002年のコトなんですが、その時はマングローブモニターの新たな地域バリエーション的な扱いだったんです。とは言え、模様はかなり特徴的だし、舌の色も全然マングローブじゃない…っていうか、色で言えば完全にブルーテール (←ここが間違いの始まりだったんですよねw) のソレだしってなれば、当然の如く「じゃあ、コイツの正体は何だべ?」って流れになるじゃないですか。
その時に、いたんですよ!
この形態形質にピッタリ合致して、古くから知られてる割にそれまで実像が全く知られていなかったモニターが!!!
それがフィンスクだったんです。
Kei Kecil Monitor/カイケチルモニター W.C. Juvnile
ただ…
一つ気になったのが、ソイツラがソロモンからではなくインドネシアから入荷したという点。あと、「タニンバール諸島産というコトで入荷した」ってインフォもあったんじゃなかったかな?
その辺はもう虚覚えだわ。
とにかく、フィンスクの分布はソロモン諸島のニューブリテン島だから、それがわざわざインドネシアから輸入されてるコトに多少の疑問は無きにしも非ずだったんですが、当時のインドネシアの爬虫類ディーラー事情からすれば、産地情報を秘匿・曖昧にして流通させるコトも当たり前だったし、当時入手出来るありとあらゆる論文を調べて、こんだけ外部形態が合致してれば…これはもうフィンスクで間違い無いと考えるのも仕方無いでしょ!?
あ、意識の高い“マニア様”のためにもう一度書いておきますけど、当時…ってか現在でも、確実にVaranus finschi と分かる生きた個体の写真・画像なんてAULIYA & KOCH (2020)以外、ほとんどありませんからね。有り難い“ご意見”はその辺も踏まえてどうぞ!
って、話がズレた (笑)。
まぁ、そんなこんなで、当時入荷した個体を世界に先駆けてフィンスクモニターとして“某雑誌媒体”に紹介し、その後に拙著「ビジュアルガイド オオトカゲ・ドクトカゲ」にも掲載したんですが、この時点でドイツの研究者にもコンタクトを取って、このモニターがフィンスクモニターであるとの共通見解なんかも得ていた訳ですよ。テラログを始めとする世界中の出版物でもフィンスクとしてカイケチルが載ってたり、Varanus finschi で画像検索してもいまだにカイケチルの画像がほとんどなのは、これに起因してたりします…。
その後、2019年にBÖHME, JACOBS, KOPPETSCH & SCHMITZ によって、このモニターがケイアオジタトカゲで有名なカイ (ケイ) 諸島のカイケチル島に分布する種として記載された訳ですが…もうね、個人的には“やらかした感”しかありませんわ(笑)。
見事過ぎる誤同定、この論文が発表された時の恥ずかしさったら…。
なのでまぁ、反省と訂正を込めて一度取り上げなきゃなぁと思ってた所、今回やっとその願いが叶ったと。
Kei Kecil Monitor/カイケチルモニター W.C. Juvnile
でも、いいモニターですよね。
黒地にネオンイエローの特徴的なパターン。大きなスポットの周りに散る小さなスペックルがロゼットを形成して、他種とは趣を異にしている感じでしょ。咽喉の白色もいいアクセントになってるし。イエローヘッドの登場で当たり前になったけど、黒+黄色のカラーリングで舌がピンクってのも、ボクにとってはいまだに新鮮ですしねぇ。
あと、ボクがこれまでに扱った個体に関して言えば、性格がマイルドでせいぜいパタパタ走る程度っていう扱いやすさもポイントかなぁ。やっぱ、どこぞの“三色オオトカゲ”みたいなのは扱ってて疲れますもん…。
という訳で、フィンスク改めカイケチルモニター、非常にオススメです!
…って、もういないけど (笑)。
あ、カイケチルモニター/カイケチルオオトカゲってのはシンプルに模式産地からつけた名前です。なので、別に正式な (?) 和名って訳じゃありません。
もっとイイ和名を付けたい方がいれば、ご自由にどうぞ。
【参考文献】
AULIYA, M. & A. KOCH (2020): Visual Identification Guide to the Monitor Lizard Species of the World (Genus Varanus ). Guidance for the Identification of Monitor Lizards with current Distribution Data as well as short Explanations on Reproductive Characterisitics and Captive Breeding to support CITES Authorities. BfN-Skripten 552; 202pp.
BÖHME, W., H. J. JACOBS, T. KOPPETSCH, A. SHMITZ (2019): The Kei Islands Monitor Lizard (Squamata: Varanidae: Varanus: Euprepiosaurus) as a Distinct Morphological, Taxonomic, and Conservation Unit. Russian Journal of Herpetology 26 (5); 272-280.
在庫や価格、発送/配達の可否など、ご質問はお電話 ( 03-6382-5949 ) またはメール ( herp.supply☆kbd.biglobe.ne.jp ※メール送付時は☆を@に変更して下さい ) にてお気軽にお尋ね下さい。Twitter をご利用の方はハープサプライアカウント ( https://twitter.com/HerpSupply ) へのDM でも対応可能です。営業時間や動物取扱業に関する詳細はトップ記事の「店舗詳細情報」にてご覧いただけます。尚、画像の送付はご来店、または法律に則った発送手続きが可能な方に限らせていただきますので、画像をご希望の方はその旨をお知らせ願います。
VISA、Master の他、American Express、JCB、Diners Club、Discover の各種クレジットカードがご利用いただけます。高額な生体の購入など、各種クレジットカードによるお支払いもご検討下さい。
【ご来店に関する諸注意】
お客様各位
コロナウィルス感染対策のため、ご来店いただく際には以下の点にご協力下さい。
・マスクの着用
接客に際しまして、店主がマスクを着用して対応させていただきますコト、ご了承願います。
・入店時の手指消毒
店舗入り口に消毒用のアルコールを置いてあります。入店時にご使用下さい。
・ご入店の人数
店内が混みあった際には入場を制限し、外でお待ちいただく場合もございます。ご理解とご協力をお願いいたします。
略称と成長段階・大きさの表記について
略称
W.C.:Wild Caught = 野生採集
C.B.:Captive Bred = 飼育下繁殖
C.H.:Captive Hatched = 飼育下孵化 (胎生種も含む)
F.H.:Farm Hatched = 飼養施設下孵化 (胎生種も含む)
成長段階
Baby → Juvnile → Young → Subadult → Adult
ブログ復活宣言をしたにも関わらず、気付いたらまた三ヶ月も放置してしました。申し訳ございません。やっぱ、書き癖をつけないとなかなかダメですね。今回はこの個体をお買い上げいただいたオーナー様からブログ掲載のリクエストをいただいたので、それなら仕方ない (笑) と一念発起、重い腰を上げた次第です。
という訳で、カイケチルモニター
って、古くからのホビイストの方なら「あれ!? コイツってフィンスクじゃないの?」って思いますよね。はい、それはそうなんです。それで合ってます。合ってるんですけど、今は違うんですよ…。
訳分かんないですよねぇ。
それは世界中のモニター好きがそう思ってると思います。これは完全にボクの“やらかし案件”なんで、今回はその辺も含め、弁明…じゃないや、解説をしていきます。
このモニターがハープタイルホビーの世界で流通したのは2002年のコトなんですが、その時はマングローブモニターの新たな地域バリエーション的な扱いだったんです。とは言え、模様はかなり特徴的だし、舌の色も全然マングローブじゃない…っていうか、色で言えば完全にブルーテール (←ここが間違いの始まりだったんですよねw) のソレだしってなれば、当然の如く「じゃあ、コイツの正体は何だべ?」って流れになるじゃないですか。
その時に、いたんですよ!
この形態形質にピッタリ合致して、古くから知られてる割にそれまで実像が全く知られていなかったモニターが!!!
それがフィンスクだったんです。
ただ…
一つ気になったのが、ソイツラがソロモンからではなくインドネシアから入荷したという点。あと、「タニンバール諸島産というコトで入荷した」ってインフォもあったんじゃなかったかな?
その辺はもう虚覚えだわ。
とにかく、フィンスクの分布はソロモン諸島のニューブリテン島だから、それがわざわざインドネシアから輸入されてるコトに多少の疑問は無きにしも非ずだったんですが、当時のインドネシアの爬虫類ディーラー事情からすれば、産地情報を秘匿・曖昧にして流通させるコトも当たり前だったし、当時入手出来るありとあらゆる論文を調べて、こんだけ外部形態が合致してれば…これはもうフィンスクで間違い無いと考えるのも仕方無いでしょ!?
あ、意識の高い“マニア様”のためにもう一度書いておきますけど、当時…ってか現在でも、確実にVaranus finschi と分かる生きた個体の写真・画像なんてAULIYA & KOCH (2020)以外、ほとんどありませんからね。有り難い“ご意見”はその辺も踏まえてどうぞ!
って、話がズレた (笑)。
まぁ、そんなこんなで、当時入荷した個体を世界に先駆けてフィンスクモニターとして“某雑誌媒体”に紹介し、その後に拙著「ビジュアルガイド オオトカゲ・ドクトカゲ」にも掲載したんですが、この時点でドイツの研究者にもコンタクトを取って、このモニターがフィンスクモニターであるとの共通見解なんかも得ていた訳ですよ。テラログを始めとする世界中の出版物でもフィンスクとしてカイケチルが載ってたり、Varanus finschi で画像検索してもいまだにカイケチルの画像がほとんどなのは、これに起因してたりします…。
その後、2019年にBÖHME, JACOBS, KOPPETSCH & SCHMITZ によって、このモニターがケイアオジタトカゲで有名なカイ (ケイ) 諸島のカイケチル島に分布する種として記載された訳ですが…もうね、個人的には“やらかした感”しかありませんわ(笑)。
見事過ぎる誤同定、この論文が発表された時の恥ずかしさったら…。
なのでまぁ、反省と訂正を込めて一度取り上げなきゃなぁと思ってた所、今回やっとその願いが叶ったと。
でも、いいモニターですよね。
黒地にネオンイエローの特徴的なパターン。大きなスポットの周りに散る小さなスペックルがロゼットを形成して、他種とは趣を異にしている感じでしょ。咽喉の白色もいいアクセントになってるし。イエローヘッドの登場で当たり前になったけど、黒+黄色のカラーリングで舌がピンクってのも、ボクにとってはいまだに新鮮ですしねぇ。
あと、ボクがこれまでに扱った個体に関して言えば、性格がマイルドでせいぜいパタパタ走る程度っていう扱いやすさもポイントかなぁ。やっぱ、どこぞの“三色オオトカゲ”みたいなのは扱ってて疲れますもん…。
という訳で、フィンスク改めカイケチルモニター、非常にオススメです!
…って、もういないけど (笑)。
あ、カイケチルモニター/カイケチルオオトカゲってのはシンプルに模式産地からつけた名前です。なので、別に正式な (?) 和名って訳じゃありません。
もっとイイ和名を付けたい方がいれば、ご自由にどうぞ。
【参考文献】
AULIYA, M. & A. KOCH (2020): Visual Identification Guide to the Monitor Lizard Species of the World (Genus Varanus ). Guidance for the Identification of Monitor Lizards with current Distribution Data as well as short Explanations on Reproductive Characterisitics and Captive Breeding to support CITES Authorities. BfN-Skripten 552; 202pp.
BÖHME, W., H. J. JACOBS, T. KOPPETSCH, A. SHMITZ (2019): The Kei Islands Monitor Lizard (Squamata: Varanidae: Varanus: Euprepiosaurus) as a Distinct Morphological, Taxonomic, and Conservation Unit. Russian Journal of Herpetology 26 (5); 272-280.
在庫や価格、発送/配達の可否など、ご質問はお電話 ( 03-6382-5949 ) またはメール ( herp.supply☆kbd.biglobe.ne.jp ※メール送付時は☆を@に変更して下さい ) にてお気軽にお尋ね下さい。Twitter をご利用の方はハープサプライアカウント ( https://twitter.com/HerpSupply ) へのDM でも対応可能です。営業時間や動物取扱業に関する詳細はトップ記事の「店舗詳細情報」にてご覧いただけます。尚、画像の送付はご来店、または法律に則った発送手続きが可能な方に限らせていただきますので、画像をご希望の方はその旨をお知らせ願います。
VISA、Master の他、American Express、JCB、Diners Club、Discover の各種クレジットカードがご利用いただけます。高額な生体の購入など、各種クレジットカードによるお支払いもご検討下さい。
【ご来店に関する諸注意】
お客様各位
コロナウィルス感染対策のため、ご来店いただく際には以下の点にご協力下さい。
・マスクの着用
接客に際しまして、店主がマスクを着用して対応させていただきますコト、ご了承願います。
・入店時の手指消毒
店舗入り口に消毒用のアルコールを置いてあります。入店時にご使用下さい。
・ご入店の人数
店内が混みあった際には入場を制限し、外でお待ちいただく場合もございます。ご理解とご協力をお願いいたします。
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